2016.8.5 : 東京五輪 野球・ソフト復活 5競技一括提案実る
オリンピック委員会(IOC)総会は3日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が一括提案した野球・ソフトボールなど5競技18種目を追加することを決めた。一括提案は組織委とIOCの思惑が合致した妙案で、IOCのバッハ会長は「歴史的な節目となる新しいできごと」と自賛した。
野球・ソフトは08年北京五輪以来、3大会ぶりの復活となる。日本発祥の空手は悲願の五輪競技入り。若者に人気のあるスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンも初めて採用された。IOCは5競技の会場予定地を、野球・ソフト=横浜スタジアム(横浜市)▽空手=日本武道館(東京都千代田区)▽サーフィン=千葉県一宮町▽スケートボードとスポーツクライミング=東京都江東区−−と公表した。12月のIOC理事会で正式に決定する。組織委とIOCは東日本大震災の被災地での開催も検討する方針。
開催地の提案による種目の追加は、IOCが14年に決めた中長期改革「アジェンダ2020」で掲げられた。もともとは五輪の立候補都市が減少してきたことに危機感を抱いたIOCが、招致の意欲を高めるのが趣旨だった。すでに開催が決まっていた東京五輪は、最初のモデルケースとなった。
しかし、組織委の本命だった野球・ソフトと空手にはそれぞれ弱点があった。野球は米大リーグの参加が確約されていない。同じ夏季五輪競技のバスケットボールは米プロリーグのNBAが参加し、冬季五輪競技のアイスホッケーもプロのNHLが出場している。そもそも野球だけが最高の選手を派遣しないことが、五輪競技から除外された一因だった。空手も、同じ日本発祥の柔道、テコンドー、レスリングなど格闘技系と競合して、本来なら五輪競技入りの余地は小さい。