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2016.8.22 : 新体操団体 妖精、乱れたリボン






8チームによる団体決勝が21日にあり、前日の予選を5位で通過した日本(杉本、松原、畠山、横田、熨斗谷=のしたに)は、2種目の合計が34・200点で8位だった。日本は2大会連続となる決勝に臨んだが、 1996年のアトランタ大会でこの種目が追加されてから、初めてのメダル獲得はならなかった。1位はロシア、2位はスペインだった。
いつものように、日本はリボンの演技の最後は独自の大技「4本投げ」で締めくくったが、投じた軌跡は大きく乱れた。日本は前半の演技を終えて8位と大きく出遅れた。
仲間の4人が投げたリボンを、主将の杉本が自らのリボンで円を描くようにして束ねてつかみ、そのまま投げ返す。5人の息が合わなければできない。6メートル以上もあるリボンを絡ませないようにするには投げる側も受ける側も細心の注意が求められる。主将の杉本が「(習得するには)練習しかない」と話した。
この技を演じて昨年の世界選手権の種目別で40年ぶりに銅メダルに輝いたが、この日は乱れた。
後半のフープ・クラブは5人がTの字のように並ぶことから「Tの交換」と呼ばれる、2本のフープと3組のクラブを一斉に交換する複雑な技もしっかりまとめた。手具同士が接触しないように投げる方向と高さを変え、同時に投げるというリスクのある技で、海外であまり使う国はない技だ。
チームはロシアのサンクトペテルブルクで長期合宿を行い、国内では東京都北区のナショナルトレーニングセンターで共同生活を送る。しっかりものという杉本が全体を目配りし、明るい性格の畠山がチームを和やかに包み込む。年齢は違うが互いに呼び捨てするなど遠慮し合わないことを心掛けてきた。
だが、目標としていた日本初のメダルにはまたも届かなかった。山崎浩子・強化本部長は「日本の力はまだ5、6番目」と認める。先にミスしては苦しい勝負とならざるを得ない。悔やまれる決勝の演技となった。

予選の映像



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