2016.8.20 : シンクロ チームで銅メダル
リオデジャネイロオリンピックのシンクロナイズドスイミングは19日、チームのフリールーティンが行われ、日本はこの種目で3大会ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得しました。
シンクロナイズドスイミングの8人で演技するチームには8チームが出場し、規定要素を含むテクニカルルーティンと自由演技のフリールーティンの合計得点で争われます。
テクニカルルーティンで3位につけた日本は、19日のフリールーティンで最後の8番目に登場し、日本の神話に登場する天照大神(あまてらすおおみかみ)をイメージして創作された曲に合わせた演技を披露しました。
日本の8人は、6つのリフトを成功させたほか、終盤の速い足技でも息の合った演技を見せて、同調性や技の難易度などが評価され、95.4333とフリールーティンで3位の得点をマークしました。
この結果、テクニカルルーティンとの合計が189.2056となってライバルのウクライナを上回り、銅メダルを獲得しました。日本がこの種目でメダルを獲得するのは、2004年のアテネ大会の銀メダル以来、3大会ぶりです。
シンクロナイズドスイミングで日本は、前回のロンドン大会では初めてメダルなしに終わりましたが、今大会は、デュエットの銅メダルに続き、2つ目のメダル獲得です。
金メダルは合計で196.1439の高得点をマークしたロシアがこの種目で5連覇を達成しました。銀メダルは192.9841の中国でした。
シンクロナイズドスイミングのチームで銅メダルを獲得した控えのメンバーを含む日本の選手9人は表彰式のあと、それぞれに思いを語りました。
デュエットとチームで2つの銅メダルを手にしたキャプテンの乾友紀子選手は「もう1度日の丸を見ることができ、ほっとした。全員でメダルを取って表彰台に上りたかった。一度逃したメダルを取り戻すのは大変なことだが、その取り戻す時に自分が泳げて幸せに思う」と話していました。
そして改めて井村雅代監督に対し、「小さいころに井村先生が日本を指導し、メダルを獲得しているのをテレビで見てシンクロを始めた。その先生と一緒に戦ってメダルを取れてすごくうれしい」と感謝を口にしました。
チームの演技の見せ場となるリフトで空中に跳ぶジャンパーを務めた中村麻衣選手は「今までやってきたことをすべて出し、ちゃんと跳ぶことができた。1発にかけることは怖かったが、今までの練習があったから力を出せたと思う」と時折、声を震わせながら話していました。
また、チーム一の長身、1メートル76センチの箱山愛香選手は「メダルが欲しくて欲しくてずっと練習してきた。たくさんの方に支えてもらって取れたメダルなので、感謝の気持ちでいっぱいだ」と笑顔で話していました。
シンクロナイズドスイミングで、デュエットに続きチームでも日本に銅メダルをもたらした井村雅代監督は「この2年間、選手たちを強引に引っ張ってきたので、責任を果たせたと思う。私の指導歴のなかでも、今までで1番ハードな練習を課してきたのだから、
『たった1回の演技で失敗するわけはない、すべての力を出してきなさい』と言って送り出した。選手たちは2年前に私が復帰した時はシンクロを好きでやっているだけだったが、今は世界で戦うアスリートになった。精神的に成長した」と選手たちをたたえました。
また、日本がメダル2つを2大会ぶりに奪還したことについて「チームでもメダルを取ったことはシンクロを志している選手にとって励みになると思うし、新たに始める選手が増えたらうれしい」としたうえで、4年後の東京大会に向け、
「今度は違う色のメダルを目指さないといけない。スポーツは常に上を目指すものだ」とさらなる奮起を促しました。
リオデジャネイロオリンピック、長野市出身の箱山愛香選手が出場するシンクロナイズドスイミングは日本時間の20日未明、チームのフリールーティンが行われ、日本はこの種目で3大会ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得しました。
日本時間の19日行われたテクニカルルーティンで3位につけた日本は、メダル獲得を目指して20日未明のフリールーティンに臨みました。
長野市にある箱山選手の勤務先の病院では、同僚などおよそ70人が集まり、大型スクリーンの前で演技が始まるのを待ちました。
同僚の女性は、「箱山さんは努力していたので、ぜひメダルに繋がってほしい」と期待を寄せました。
日本は、フリールーティンの最後、8番目に登場し、日本の神話をイメージして創作された曲に合わせた演技を披露し、同調性や技の難易度などが評価され、95点4333と、フリールーティンで3位の得点をマークしました。
この結果、テクニカルルーティンとの合計が189点2056となり、銅メダル獲得を決めると、勤務先の病院に集まった人から大きな歓声と拍手がわき起こりました。
看護師の女性は、「手に汗を握ってどきどきしながら演技を見たが、自分たちの応援が通じてうれしい。帰ってきたらお疲れさまと伝えたい」と話していました。
箱山選手が小学生の時から通ってきたスイミングクラブのコーチや後輩からは祝福の声が相次ぎました。
このうち、箱山選手を小学生の時から指導してきた「長野シンクロクラブ」の内田まゆみさんは「最初、プールに出てきた時にすごく緊張した表情だったが、すぐにいい笑顔になったし演技が終わるまでいい表情でいてくれたので、大丈夫だなと思いながら見ていました。持ち味のダイナミックな演技が十分出ていたし、4年間の厳しい練習も見てきたので、『よくがんばった』と声をかけてあげたいです」と話していました。
また、スイミングクラブの後輩で、長野市内の高校1年生の藤原茉那さん(16)は「『お疲れ様でした』と言いたいです。ウクライナと競っていたのでドキドキしていましたが、格好いい演技でした。
箱山選手は笑顔がとても素敵なので、自分も見習っていきたいです」と話していました。
同じく後輩で、市内の高校3年生の須藤美紅さん(17)は「ロンドンで悔しい思いをしてから4年間頑張ってのメダルなので、私もうれしいです。『やっと取れたメダル、おめでとうございます』と伝えたいです」と話していました。