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2016.7.7 : 大西さん乗り組むソユーズ 打ち上げ成功





元旅客機のパイロットで日本人11人目の宇宙飛行士、大西卓哉さんが乗り組むロシアの宇宙船「ソユーズ」が、日本時間の7日午前10時36分、中央アジアのカザフスタンから打ち上げられ、およそ9分後、予定どおり地球を回る軌道に入り、打ち上げは成功しました。
日本人11人目の宇宙飛行士、大西卓哉さんが乗り組むロシアのソユーズ宇宙船は、日本時間の午前10時36分、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、燃焼を終えたロケットの1段目や2段目を切り離しながら上昇を続けました。
そして、およそ9分後の午前10時45分ごろ、高度200キロ付近で3段目を切り離し、予定どおり地球を回る軌道に入り、打ち上げは成功しました。
ソユーズ宇宙船は、今回から、機器の一部を新しくした「改良型」が使われているため、国際宇宙ステーションまでのフライト時間は、最も急ぐ場合の6時間ではなく、余裕を持った2日間に設定されています。
ソユーズは、日本時間で9日の午後1時すぎに国際宇宙ステーションに到着し、大西さんは、ことし10月下旬までのおよそ4か月間の長期滞在を始めます。
滞在中、大西さんは、がんなどの新しい治療薬の開発を目指す実験に臨むほか、日本では初めてとなる哺乳類での宇宙実験として、マウスの飼育実験を行い、老化現象の解明などに取り組むことになっています。

全日空の元同僚らが見守る

 

羽田空港では、大西さんが以前勤めていた全日空の元同僚ら、およそ200人が、大型のスクリーンで、打ち上げを見守りました。
午前10時36分、ロケットが上昇を始めると、会場からは大きな拍手と歓声が上がりました。
また、宇宙船の内部が映し出され、予定どおり地球を回る軌道に入ったことが確認されると、再び大きな拍手が起きました。
大西さんと同期のパイロットの吉濱直之さんは、「迫力があって感動しました。大西さんは緊張して仕事をしていると思うが、きっと立派に仕事をやり遂げてくれると思う。子どもたちに夢を与えるような活躍をしてほしい」と話していました。

松山空港でも中継の映像

 

大西さんとゆかりのある松山空港では、打ち上げを伝える中継の映像が流されて、集まった市民から大きな歓声が上がりました。
元全日空のパイロットの大西卓哉さんは父親が松山市の出身で、7年前のパイロットとしての最後のフライトでは、両親を乗せて松山空港から飛び立ちました。
こうしたゆかりから、松山空港では「ソユーズ」の打ち上げを伝えるJAXA=宇宙航空研究開発機構の中継の映像を流しました。
2階の出発ロビーには市民や航空会社の社員など200人近くが集まり、大型モニターを見ながら打ち上げの瞬間を待ちました。
そして、午前10時36分、ソユーズが無事、打ち上げられると、集まった人たちから大きな歓声が上がるとともに拍手が送られました。
大西さんの親族の重川史芳さん(93)は「最高の日になりました。とにかく元気に任務を全うして帰ってきてほしい」と涙を流しながら話していました。松山市の夫婦は「すごいことだと思います。松山市民としてうれしいし頑張ってきてほしい」と話していました。
ソユーズは9日、国際宇宙ステーションに到着する予定で、大西さんはおよそ4か月間の長期滞在を始めます。

大西さんの母校でも応援

 

宇宙飛行士の大西卓哉さんが中学と高校時代を過ごした横浜市の母校では、後輩たちが打ち上げの様子を見守りました。
横浜市の中高一貫校、聖光学院では、後輩たちや学校関係者などおよそ1500人が集まりました。
会場のホールには、中継の映像を映し出す縦が5メートル、横が9メートルの大型のスクリーンが用意され、生徒たちは緊張した様子で打ち上げの瞬間を待ち構えました。
そして宇宙船が打ち上がると生徒たちからは大きな拍手が送られ、打ち上げの成功が確認されると、会場から大きな歓声が上がっていました。
中学1年生の男子生徒は、「打ち上げが成功してほっとしています。大西さんは私たちの誇りです。夢に向かって努力できるような人間になりたいです」と話していました。


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