2016.6.6 :舛添知事 調査結果を公表
東京都の舛添知事は、政治資金などを巡る一連の問題で弁護士による調査結果を公表し、違法性はないものの、趣味や家族のためと見られてもやむをえない不適切な支出があったなどと指摘されたことを受けて、
一部を返金するとともに神奈川県の別荘についても近く売却する考えを示しました。
この問題で、舛添知事は午後4時から調査に当たった弁護士2人とともに記者会見を開き、はじめに「政治資金で指摘を受けて多くの方にご心配をかけ心からおわび申し上げます」と述べ改めて陳謝しました。
そのうえで、調査にあたった佐々木善三弁護士らが調査結果を説明し、舛添知事が関係する政治団体の支出について、政治資金の使途に制限はないため、いずれの支出も違法性はないとしつつも一部に不適切な支出などがあったと指摘しました。
この中では、すでに明らかになっている千葉県のホテルの2件も含め、栃木県日光市のホテルや山口県下関市のホテルなどに支払った6件の宿泊費合わせて80万円余りについて、いずれも支援者などとの会合を行っていたものの、家族や友人とともに宿泊していて、
「主たる目的は『家族旅行』だったと解釈せざるをない」として是正が必要だとしています。
このうち、家族と宿泊した千葉県のホテルで開いたとする会議については、「相談相手である元新聞記者の出版社社長と面談していた」としていますが、「全体としてみれば家族旅行と判断するほかない」としています。
また、これまでに明らかになっているものも含めて合わせて14件の飲食費33万円余りについても、私的な飲食だったなどとして是正を求めています。
さらに、インターネットのオークションなどを通じて多数の美術品などを購入していたことについては、「政治活動と関わりがないとは言えない」としたうえで、「あまりに多く、合計金額も多すぎる。趣味的色彩が強く、違法ではないものの、政治資金の支出としては不適切だったというほかない」と指摘しました。
調査結果を受けて、舛添知事は、是正を求められた宿泊費や飲食費合わせて110万円余りについて個人資産から返金し、慈善団体に寄付するとともに公用車でほぼ毎週末行っていた神奈川県湯河原町の別荘についても近く売却する考えを示しました。また、多数の美術品について、
「財テクとして買ったつもりはない」としたうえで、都の病院や福祉施設で活用したり、政治団体が解散する際には美術館に寄付することなども検討する考えを示しました。そのうえで、「心から反省し、公私の区別を明確にして信頼を少しずつでも取り戻すべく、粉骨砕身、都政の運営に努めていきたい」と述べ、引き続き知事の職務に専念する考えを示しました。
今回の調査は佐々木善三弁護士と森本哲也弁護士の2人が依頼を受け、補佐役の2人の弁護士とともに4人で行われました。
調査は先月25日から始まり、資料が残されている平成21年から政治資金収支報告書が公開されているおととしまでの支出を対象に行われ、必要があれば平成20年以前の支出についても調べたとしています。調査では舛添知事や秘書から資料の提出を受けたうえで関係者への聞き取りを行い、
必要に応じて弁護士がみずから資料を入手したとしています。調査結果は5日にまとめられ、舛添知事に報告されたということです。