2016.6.22 : 参院選 公示 改憲巡り攻防
第24回参院選が22日、公示され、7月10日の投開票に向け18日間の選挙戦が始まった。各党党首の第一声では、自民、公明両党が安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成果を強調したのに対し、
民進党などの野党は経済政策の転換を要求。また、憲法改正に前向きな勢力が伸長すれば安倍晋三首相は改憲に踏み切るとして、改憲勢力が改正発議に必要な3分の2(162議席)に達するのを阻止する考えを示した。
首相は第一声を熊本地震で被災した熊本市で行った。「熊本の復興に対する私たちの強い意思を全国に発信しようと考えた」と述べ、震災復興に取り組む姿勢を強調。そのうえで、雇用創出や有効求人倍率が改善した実績を説明し、
「この経済政策を力強く前に進めていくのか。あるいは、やめてしまって暗く低迷した時代に逆戻りするのか。それを決める選挙だ」と訴えた。一方で、消費増税の再延期の判断や憲法改正については言及しなかった。
公明党の山口那津男代表もさいたま市で「経済再生、デフレ脱却を目指して着実に結果を出した」と語り、「アベノミクス(の恩恵)が及んでいない人々にきちんと分けていく」と呼び掛けた。
これに対して、民進党の岡田克也代表は甲府市で「安倍政治の暴走を止め、政治の流れを変える」と主張。「まず3分の2を取らせないこと」と語り、改憲勢力が3分の2以上の議席を獲得した場合、憲法9条改正に踏み切るとの見解を示した。
また、アベノミクスは「すでに限界」と指摘し、「分配と成長を両立させる政策こそ本当の意味の経済政策だ」と転換を迫った。
共産党の志位和夫委員長は東京都新宿区で「安倍首相が狙う改憲の本丸は9条改憲だ」と強調。野党が共闘し、安全保障関連法の廃止を実現して「立憲主義を取り戻す」と訴えた。
また、おおさか維新の会の松井一郎代表は大阪市で「参院選のキーワードは『せこい』だ」と主張。大阪市や大阪府での行財政改革で高校の実質無償化などを実現したことを訴え、「この細かさを全国に広げれば、増税は必要なくなる」と語った。
社民党の吉田忠智党首は東京都新宿区で「アベノミクスで破壊された国民生活を取り戻す」と述べた。生活の党の山本太郎共同代表も同区で「大企業の税金は安くなるばかり。減った分を皆さんへの増税で補っている」と政権を批判。
日本のこころを大切にする党の中山恭子代表は東京都中央区で「憲法に日本の伝統や心が入っていなければならない」と述べ、改憲の必要性を訴えた。
新党改革の荒井広幸代表は同港区で、脱原発を政府に求める考えを強調した。