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2016.3.31 : センバツ 智弁学園が優勝

センバツ高校野球は31日に決勝が行われ、奈良の智弁学園が香川の高松商業に、延長11回、2対1でサヨナラ勝ちし、春夏通じて初めての優勝を果たしました。 智弁学園は2回にフォアボールとヒットで1アウト一塁三塁のチャンスを作り、8番の中村晃選手の内野ゴロの間にランナーがかえり、1点を先制しました。
その後は、智弁学園の村上頌樹投手と、高松商業の浦大輝投手の、両チームのエースが持ち味を発揮して、投手戦となりました。
終盤の8回、智弁学園の村上投手は、1アウト二塁のピンチで、高松商業の3番でキャプテンの米麦圭造選手にタイムリーヒットを打たれて、同点に追いつかれ、試合は、決勝としては平成22年以来6年ぶりの延長戦となりました。
智弁学園の村上投手は、10回、11回ともに、ランナーを出しながらも粘りのピッチングで得点を許しませんでした。
そして、11回の裏、2アウト一塁から村上投手がみずからタイムリーツーベースヒットを打って、智弁学園が2対1でサヨナラ勝ちし、春夏通じて初めての優勝を果たしました。
奈良県勢としては平成9年の天理高校以来、19年ぶり2回目の優勝です。
第1回大会の優勝校の高松商業は、8回に追いつき、その後も逆転のチャンスを作りながらも、あと1本のヒットが出ず、56年ぶりの優勝はなりませんでした。

智弁学園の村上投手は、延長11回にサヨナラタイムリーヒットを打った場面について、「高橋選手がヒットを打ってつないでくれたので、必ず打ってやろうと思って打席に入りました。
心の中で『抜けてくれ』と言いながら走っていました。サヨナラヒットを打つことができてうれしいです」と笑顔で話していました。また、決勝を含めた5試合を1人で投げ抜いたことについて、「大会前から1人で投げるよう監督に言われていました。気持ちで負けたら試合に負けると思ったので、気合いを入れて最後まで投げました」と話していました。
サヨナラのランナーとなった高橋直暉選手は、ヒットを打った場面について「村上投手が懸命にずっと投げている姿を見て、楽にさせてあげたいという思いでチャンスを作ろうと思った。初優勝できてうれしいが、これで満足するのではなく気を引き締めて、春夏連覇を目指したい」と話していました。
キャプテンでキャッチャーの岡澤智基選手は、「村上投手がすべての試合を投げていたので、自分が弱気になったらだめだと思い、必死にリードした。ずっとチームの歴史を変えたいと思い、優勝を目指してきたのでうれしい。夏も甲子園で野球をしたいので、春夏連覇できるように頑張りたい」と話していました。
小坂将商監督は試合を振り返り、「チャンスがことごとく高松商業の好守備に阻まれて、大変な試合だった。最後も取られてしまうかと思い、気を抜けなかったが、抜けてくれてよかった」と喜んでいました。
さらに、決勝を含めて5試合をすべて完投した村上投手について、「粘り強く1戦1戦投げてくれたおかげで、優勝することができた。褒めてあげたい」とたたえていました。
そのうえで「日本一という目標を掲げて練習してきたので、今まで支えてくれた人への恩返しの意味でも日本一を実現することができて、本当にうれしい」と笑顔で話していました。

高松商業の浦投手は、「最後に打たれてしまって優勝できなくて悔しいです」と話したうえで、延長11回に智弁学園の村上投手にサヨナラヒットを打たれた場面については、「自信のあるストレートをインコースに投げましたが、甘く入ってしまいました。ピッチャーに打たれてしまって悔しいです」と振り返りました。
そして、「ストレートで三振を取れる投手にならなければならないと思ったので、これからトレーニングを積んで、また夏に甲子園のマウンドに立ちたいです」と話していました。
キャプテンの米麦選手は、「悔しいですが、きょうは完敗です。ただ、この大会を通じて、1球1球に集中するという意識がさらに高くなったし、甲子園が僕たちを成長させてくれたと思います。今回優勝できなかったので、また夏に戻ってきて日本一に挑戦したいです」と話していました。
長尾健司監督は、「きょうは勝負どころで、相手エースの村上投手が投げ込む力のあるボールを、打線が捉えきることができませんでした。選手たちはよくやってくれたが、新たな課題も見えたので、夏までに克服して、もう一度この舞台に戻ってきたいと思います」と話していました。