2015.12.12 :油井さん 無事地球に帰還
日本人宇宙飛行士の油井亀美也さんが乗り組んだロシアの宇宙船「ソユーズ」が、日本時間の11日午後10時10分すぎ、中央アジア・カザフスタンの平原に着陸し、
国際宇宙ステーションから無事、地球に帰還しました。JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、油井さんの健康状態は良好だということです。
元航空自衛隊のパイロットで、日本人10人目の宇宙飛行士、油井亀美也さんは、ことし7月から国際宇宙ステーションに滞在し、8月には日本の宇宙輸送船「こうのとり5号機」をロボットアームでキャッチするなど、重要な任務をこなしてきました。
油井さんはすべての任務を終了し、日本時間の午後3時すぎに、アメリカとロシアの2人の宇宙飛行士とともにロシアの宇宙船「ソユーズ」に乗り込みました。
「ソユーズ」は日本時間の午後6時49分、宇宙ステーションを離れ、午後9時50分ごろ、大気圏に突入しました。そして、最後はパラシュートを開き、日本時間の11日午後10時10分すぎ、中央アジア・カザフスタンの平原に着陸しました。
現地から届いた映像では、強い風のなか着陸したソユーズが横倒しになっている様子が分かります。
油井さんはリクライニングチェアに乗せられたあと、多くのスタッフに抱えられて車に乗り込みました。油井さんは笑顔で元気そうな様子を見せていました。
JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、油井さんの健康状態は良好だということです。
油井さんは、着陸地点に駆けつけたJAXAの担当者に、「ただいま。体調は大丈夫です。重力を感じます。寒いけれど、皆さん、大丈夫ですか?。宇宙もすばらしいけれど、地球もすばらしい。冷たい風が心地よい。ゆっくりシャワーでも浴びたいが、
ツイッターをフォローしている人がたくさんいるので、発信していきたい」と話しました。
一夜明けた12日、長野県佐久市にある油井さんの親類の家で、父親のすけ司さんが喜びを語りました。
すけ司さんは「着陸する現地の環境が悪いと聞き、心配だったが、午前0時半すぎに本人から『僕だよ』と電話がかかってきた。『寒くないか』と聞くと『きょうは寒くないよ』と言っていた。地球に戻ってきてはしゃいでいるような元気な声を聞けてほっとした」と話していました。
そのうえで「宇宙へ行くという子どものころからの夢がかなって、亀美也は幸せな男だと思う。自分の息子とは思えないほど輝いて見える。思わず抱きつきたいような気持ちだ」と、任務を終えて無事に帰還した息子をたたえていました。