日本の宇宙輸送船「こうのとり」の5号機が国際宇宙ステーションに接近し、24日午後7時半前、宇宙ステーションに滞在している日本人宇宙飛行士の油井亀美也さんがロボットアームで「こうのとり」をキャッチすることに成功しました。現在、ドッキングに向けて、「こうのとり」をロボットアームで引き寄せる作業が続けられています。
今月19日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた日本の宇宙輸送船「こうのとり」の5号機は、24日午後5時ごろには、高度400キロ付近を飛行している国際宇宙ステーションまであと500メートルの距離に到達しました。その後、1分間に数メートルというゆっくりとしたスピードで接近し、あと10メートルとなった午後7時29分、予定よりも30分ほど早く、宇宙ステーションに滞在している日本人宇宙飛行士の油井亀美也さんがロボットアームを使って「こうのとり」をキャッチすることに成功しました。
アメリカ・ヒューストンにあるNASA=アメリカ航空宇宙局の管制センターでは、宇宙飛行士の若田光一さんが通信役のリーダーを務め、宇宙輸送船のドッキングを宇宙側も地上側もいずれも日本人が担うのは今回が初めてです。
現在、国際宇宙ステーションでは、ドッキングに向けて「こうのとり」をロボットアームで引き寄せる作業が続けられ、宇宙ステーションへのドッキングは25日午前0時半ごろ、ドッキングのすべての作業が終わるのは25日の午前3時ごろになる予定です。
油井さん「1等星並みに輝けたかな」
「こうのとり」のキャッチに成功した油井さんは「ありがとうございました。おかげさまで仕事がしっかりできて、キャプチャーすることができました。日本の皆さんが一生懸命働いたこともあると思います。私もここで仕事ができて、日本人であることを誇りに思いますし、チームも誇りに思います。きょうは私も、宇宙開発の中では1つの小さな歯車ですけれども、自分の仕事をしっかりして、1等星並みにちょっと輝けたかなと思います。これからもご支援よろしくお願いいたします。ありがとうございました」と述べました。
また、油井さんは英語でも感想を話し、「『こうのとり』は、金色の宝箱のようで、この中には宝物のような大切な物資が入っています。『こうのとり』をキャッチしたとき、情熱とか夢とか一生懸命さとか、非常に大切なものも同時に受け取ったように感じました。皆さんの一生懸命な取り組みのおかげで国際宇宙ステーションの計画を守ることができました。ガッツと一生懸命さと夢があれば、国際宇宙ステーション計画は今後も続いていくし、人類の宇宙開発の計画も続いていく。皆さん本当に一生懸命に取り組んでくださって心から感謝します」と述べました。
若田さんが油井さんたたえる
一方、地上側で通信役のリーダーを務めた若田光一さんは日本語で、「日本のものづくりの技術や、宇宙と地球の国際運用チーム全員の情熱と、すばらしいチームワークの力で国際宇宙ステーションに『こうのとり』が無事に到着したことを、とてもうれしく思います」と、感想を述べました。そして、油井さんに対しては「油井さん、すばらしいキャプチャーでした。おめでとうございます」と仕事ぶりをたたえていました。
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